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RENT/レント あくまでもさりげなく。 [MOVIE]

レント

レント

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2007/06/22
  • メディア: DVD

1996年にブロードウェイで初演を飾って以来、
実に10年以上にもわたって愛され続け上演されている、
プッチーニの「ラ・ボエーム」をベースにした
ロック・ミュージカルが「レント/RENT」。


(↑RENTを上演中の、ブロードウェイのネザーランドシアター)

個人的には舞台でも10数回観ているし、
映画版も試写と劇場公開とDVDとBlu-rayで繰り返し観てるのに
さっきまでWOWOWでオンエアしていたものを
ハイビジョンでエアチェックしながら、
またも、観はじめたら止まらなくなってしまい・・・。

その内容や作品が生まれた背景については、
僕が駄文をつらつらと書いていくよりも
以下のコラムをぜひお読みになって欲しい。
名文とは、こういうものを言うのだなぁと思う。

松原耕二「僕は見ておこう」より
「ジョナサン・ラーソンの6年間」
http://www.1101.com/watch/2001-03-27.html

余談ながら、この松原氏の書かれた人間ノンフィクション集、
「勝者もなく、敗者もなく」も素晴らしい。
とてもとても胸を熱くさせてくれる一冊。

勝者もなく、敗者もなく

勝者もなく、敗者もなく

  • 作者: 松原 耕二
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2000/08
  • メディア: 単行本

さて、僕があらためて今日の観賞で感心したのは
一見VFXとは無関係に見えるこの映画にも、
あくまでもさりげなく、そして効果的にVFXが使われていたこと。
VFXを担当したのは「スター・ウォーズ」のILM社で、
なんと50人を超えるスタッフがこの映画に参加している(!)

舞台はNY、時は89年のクリスマス・イヴからの1年間。
当然ながら、約20年前のNYの光景と現在のそれは大きく異なっている。
ここでVFXがさりげなく活躍し、街の見た目を当時のそれに変えている。
窓の外から見える町並み、主人公たちが歩く何気ない日常の風景は、
実に細かなところまで手が加えられている映像であったのだ。

また、劇中のミュージカル・ナンバーのより印象的な演出。

わかりやすいところで言えば「Tango Maureen」における、
大人数でのタンゴのダンスを大俯瞰で撮影したシーン。
ここでカメラは実に自由自在に動き回りながら、
群衆を、そしてメインキャラクターたちをとらえていく。
こんなにカメラを動かすとなるとセットもばれてしまうため、
おそらくは各所をデジタルセットで補っていることだろう。

さらに、雪が舞う中でロジャーとミミが
囁くように歌い合う「I should tell you」のシーン。
ふたりが歌うたびに口から白い息が漏れ出るが
このシーンの撮影は実は夏に行われたため、
ふたりの吐息は後からデジタル合成が行われたもの。
よく見ると、吐息までも曲のトーンにあわせて演技しており
単調なアニメーションにはなっていないことに驚かされるはず。

また、この映画のサウンドミックスは、
あの「スター・ウォーズ」のサウンドを手がけた、
スカイウォーカー・サウンドのチームが担当している。
そのためか、非常に細かなところまで音の演出がなされており
音の移動感・包囲感、楽曲の表現力が非常に高められている。
5.1chサラウンド音場いっぱいに音楽が漂うその幸福な仕上がりは、
舞台では味わえない映画ならではのもの、と言ってもいいだろう。

あくまでもさりげなく。
決して主張しない、でも完成度が非常に高い、
そんな映像と音響効果が、作品のバリューをより高めているのです。

レント (Blu-ray Disc)

レント (Blu-ray Disc)

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2006/11/22
  • メディア: DVD


レント

レント

  • アーティスト: サントラ
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2006/04/12
  • メディア: CD


Rent

Rent

  • 作者: Jonathan Larson, Evelyn McDonnell, Kathy Silberger, Larry Fink, Stewart Ferebee, Michael Grief
  • 出版社/メーカー: William Morrow & Co
  • 発売日: 1997/06
  • メディア: ハードカバー


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コメント 6

流星☆彡

私も日曜の夜、昨年 映画館でも観ていながら、WOWOW放映を観始めたら
止まらなくなり。。。f^^;
“口から白い息が漏れ出る”SCENEが合成とか、驚くべきトリビアに 今さら
ですが 感嘆しております!
面白い裏話の数々☆拝読できて嬉しいデス♪m(__)m
by 流星☆彡 (2007-07-09 19:37) 

jedioki

●流星☆彡 さん

お返事遅くなりました。
楽しんでお読みいただけてよかったです!
ありがとうございました。
by jedioki (2007-07-20 20:10) 

meiqi

nice!ありがとうございました。
映画版はそんな風に作られているとは、これはますますDVDを観てチェックしなければぁ!と思いました
by meiqi (2008-01-05 00:29) 

jedioki

●meiaiさん

コメントありがとうございます。
映画版レントも、とてもいい作品だと思いますよ。
この記事のリンク先、「ジョナサン・ラーソンの6年間」もぜひお読みになられてみてくださいね。
by jedioki (2008-01-05 11:34) 

この作品を見た衝撃と感動は大きなものでした
DVDを購入して大切にしている作品です☆
DVDの特典映像の
ジョナサン・ラーソンの生き様と作品への情熱には感動しました。
そして違うパターンのラストどちらも素敵です

本編のラストでのエンジェルがニコリと笑った瞬間真っ暗に
なるカットがやっぱりググっときます!
by (2008-01-06 09:47) 

jedioki

●Bettyさん

コメント、どうもありがとうございます。
ラストのエンジェルの微笑み、ですが、
どちらのバージョンも舞台版の演出をうまくアレンジしています。
そう来たか!と、映画版初見の際には感激したものです。
by jedioki (2008-01-06 20:06) 

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