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DVD「ハッピーフライト」テイクオフ!〜スタンダードクラス・エディション [DVD]





皆さん、大変ごぶさたです&お待たせしました。
いよいよ本日、DVDとBlu-ray Discで「ハッピーフライト」が再びテイクオフ!します。
矢口史靖監督作品ということで、今回もお声をかけていただき、DVDとBlu-ray Discの制作ディレクターを担当させていただきました。

映画についてご存知ない方は、まずはこちらをご覧あれ!
「ハッピーフライト」公式サイト
http://www.happyflight.jp

昨年11月の劇場公開の前から企画作業をスタート。
DVD1枚組の「スタンダードクラス・エディション」、DVD2枚組の「ビジネスクラス・エディション」、Blu-ray Disc2枚組の「ファーストクラス・エディション」、レンタル専用DVD、さらに先着特典の「ハッピーDVD」と、5アイテムをこの3月一杯までかかって制作してきました。ようやく皆さんのお手元に、手塩にかけて育てた?ディスクたちをお届けできる日が来て、まずはホッとしています。

いよいよ発売を迎えたこともありますので、ここで各ディスクの特徴についてお話をしていきましょう。
まず今回はスタンダードクラス・エディションから。

DVD1枚組のこのアイテム、メインのコンテンツはもちろん映画本編。今回は特に高画質のBlu-ray Discも同時発売ということで、矢口史靖監督は映画製作段階からかなりクオリティにこだわってきました。そのため、フィルムからHDビデオのマスターテープを作成する際にも、邦画では珍しく、オリジナルのネガからテレシネを行っています。

CMや洋画などではよく使用されている方式ですが、これが邦画ではどうして珍しいかと言うと、ひとつにはオリジナル=この世に1本しかないネガフィルムを使用して作業するという意味での安全面の問題から、もうひとつはフィルムの継ぎ目の箇所がポジフィルムに比べて歪んだ映像になりやすいため、その修正作業にかなりの時間とコストがかかってしまうという問題から、です。

こんなエピソードがあります。ある日、メニューデザインのチェックに僕らのスタジオを訪れた矢口監督が、メニューに使用している動画を見て「あ、ポジテレシネの絵だ。これは古いマスターですね。」と指摘してくれたのです。実は上記のような作業を進めていた関係で、その時点ではまだDVD・BD用の最終マスターが完成しておらず、僕らの手元にあったのは劇場公開時に宣伝用に制作した、ポジフィルムから作成した本編マスターだったのです。でも監督はもちろんネガテレシネの映像をご覧になっていたので、その違いにすぐに気づいたわけです。「そんなに画質が違うのかなあ」と、僕やメニューディレクターの小林氏もその時は思ってしまいましたが、後日手元に届いた最終マスターを見てびっくり。コントラスト、S/N感、発色など、明らかに向上していたのです。旧マスターの映像は最終マスターに比べるとやや暗く、色の階調も潰れ気味で、例えば登場人物たちの髪や服の生地の部分がべたっと見えてしまっていました。

とはいえ、「そんなに違うもの?」と思われる方もいらっしゃることでしょう。実はこの両者の画質、見比べることができるんです。特典映像の中に収録された、テレビCM集をじっくりご覧下さい。ネガフィルムからテレシネされた映像で作られたものと、ポジフィルムからのもの、両方が収録されています。じっくり見ていただくと、きっと違いを分かっていただけるのではと思いますよ。

そして、音声については、オリジナルの劇場公開音声を5.1chドルビーデジタルサラウンドで収録したのはもちろんのこと、今回も矢口史靖監督による音声解説を収録しています。「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」の時にはキャストとわいわい語り合う雰囲気のものでしたが、今回は日本初の本格的飛行機映画ということもあり、シーン毎に細かくじっくりと語っていただくべく、フジテレビの笠井信輔アナウンサーに聞き手としてご参加いただき、徹底的に映画の舞台裏の話を監督から引き出していただきました。

実は笠井アナ、今回の収録に際して、どのシーンでどんな質問をしたいかという構成台本をご自身で作成して下さいました。映画やメイキング番組などを何度も見こんだのはもちろん、劇場プログラムやプレスシート、関連書籍の数々に至るまですべてに目を通し、30ページを超えるボリュームの台本を用意してくれたのです。そのため、完成したコメンタリーは、映画制作の舞台裏から航空業界の話に至るまで、矢口監督と笠井アナがほぼノンストップで103分しゃべり続ける大充実のものになっています。収録後はお二人ともふらふらになられていたほど・・・。

そして今回は字幕でも新しい試みをしています。それは“航空用語字幕”という、矢口監督からぜひやりたいとご提案いただいたものがそれ。この映画をご覧になられた方はご存知かと思いますが、劇中では様々な航空用語が飛び交います。言葉の意味がわからなくても映画の理解には問題はないんですが、そうは言ってもその意味がわかると、より登場人物たちをめぐる状況も理解でき、一緒にハラハラできるわけです。リピート観賞時にこの字幕を表示させてみると、また違った面白さを味わっていただけるはずです。もちろん、通常の日本語字幕も収録されていますので、スピーディーなセリフのやりとりをより深く理解したいなど、いろいろ活用していただけます。

この他にも特典として、劇場特報・予告編・テレビCM集、劇場マナーCMなどを収録しています。
矢口監督作品の常として、スタンダードクラス・エディションでも、結構おなか一杯になれるはず(笑)

ということで、今回はまずはセル版のスタンダードクラス・エディションの紹介でした。
次回はDVD2枚組のビジネスクラス・エディション、その特典ディスクをご紹介します。

PS

メインメニューをしばらく見続けてると、何かが・・・?














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ありがとう、DISCAT。 [DVD]

※09/05/15 追記

下記のDISCATさんですが、ファンの皆さんからの声に応えて、 現在は店舗を移転して引き続き営業をされています。

新店舗の地図はこちらです↓
http://www.discat.co.jp/shopstatus.html
関係者の皆様、DISCATファンの皆様、お騒がせして申し訳ございませんでした。




DSCF6108.jpg

高田馬場の中古DVDショップ「DISCAT」の移転が決まり、
この店舗での営業が今日で終了となった。

僕は地元がこの店のほど近くだったため、
まだDISCATが新品・中古のレーザーディスクを扱っていた頃、
つまり僕が15歳くらいの頃からこの店に通い詰めていたことになる。
(うぉぉぉ、つまり四半世紀だよ、それって!)

いまはDVDの新品が3000円からで買えるけれども、
当時のLDは1枚7800円〜が相場の価格であり、
500円でも中古盤が安く買えるこのお店は、
財力に限りのある学生の身分にあっては、
とてもとてもありがたいお店だったのだ。

僕が大学を卒業してから、
パイオニアLDC(現・ジェネオンエンタテインメント)に就職し、
後にDVD制作事業を手がけるに至ったのは、
このお店で数々の名盤LD・洋盤DVDに触れることができたことが、
とてもとても大きな要因のひとつと言えよう。

とりわけ、僕がDVD制作を始めて以降は、
作り手の立場である僕の話を店長が興味深く聞いて下さったり、
逆に売り手の立場である店長の話に刺激を受けたりと、
ふらりとお店に遊びにいくたびに濃い話をさせていただりも。

お店自体は、メディアの趨勢と歩調を合わせるかのように
CD・LDの買取・新品・中古品販売からDVDのそれに取扱品をシフト。
そして諸般の事情で中古DVDの買取・販売に業態を絞り、
そのせいか日本盤はもちろん、米国盤、欧州盤、アジア盤と、
DVDリージョン完全制覇な勢いの品揃えを誇り、
いつもレアなアイテムをここで見つけては
ニヤニヤしながら数枚をピックアップし、
店長と雑談をして店を出る、というのが僕の定番コースだった。

近年はネットを通じての買取や販売が大きな規模になり、
これを機に通販メインに切り替えようとずーっと考えていたが、
それがようやく実現できることになった、ということらしい。

ただ、路面店がなくなるのはあまりにさびしいと、
僕らのようなディープなDVDマニアが閉店間際に殺到(笑
「じゃあ、新店舗では合い言葉を言うと入れるようにします」
なんて、嘘とも誠ともつかないような話を飄々とする店長はしてくれた。
今日も、店の常連客達が引越しの手伝いをしているとのこと(笑

ああ、長年に渡って、愛され続けたお店なんだなあと、
その話を聞いてあらためてこのお店の業界内での、
特異で、それでいて大きな位置づけを再確認した次第。

店長、本当にお世話になりました。
この店がなければ、今の僕にはなれませんでしたよ・・・!

いまの店舗での最終日ということで、
照れる店長に無理矢理お願いをして記念写真をぱちり。

DSCF6109_2.jpg

さて、そのDISCATさんですが、
今後のお店の情報はサイトで随時アップデートしますとのこと。
ということで、最後にお店のURLを告知しておきます。
皆さん、何かの機会には、ぜひのぞいてみて下さい!

DISCAT http://www.discat.co.jp/
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2008年は「HERO」とともに。 [DVD]

と、いうわけで・・・
2008年最初のDVDディレクター担当作品は「HERO」となりました!

ただいま制作作業の真っただ中で、
今日もスタジオに入って特典映像制作作業中です。

興行収入81億円を超える、
2007年日本映画最大のヒット作だけに、
ただならぬプレッシャーをひしひし感じる毎日ですが・・・

作品の魅力をたっぷり引き出したDVDをめざして
スタッフ一同不眠不休で頑張っていますので
完成を楽しみにお待ちください!

HERO 初回限定生産特別版(仮)

HERO 初回限定生産特別版(仮)

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2008/03/08
  • メディア: DVD

HERO スタンダード・エディション

HERO スタンダード・エディション

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2008/03/08
  • メディア: DVD


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2007年のDVDたち。 [DVD]

さて、2007年も終わりなんていう実感がまったくないのですが
今年を振り返ると、こんなDVDの制作ディレクターを務めていました。
備忘録的にリストアップしてみますと・・・

○3月発売
「地下鉄に乗って」(THXコーディネート/ジェネオンエンタテインメント)

地下鉄(メトロ)に乗って THXスタンダード・エディション

地下鉄(メトロ)に乗って THXスタンダード・エディション

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2007/03/21
  • メディア: DVD

地下鉄(メトロ)に乗って THXプレミアム・エディション

地下鉄(メトロ)に乗って THXプレミアム・エディション

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2007/03/21
  • メディア: DVD


◯6月発売
劇場版「大奥」(ポニーキャニオン)

大奥 スペシャル・エディション

大奥 スペシャル・エディション

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2007/06/08
  • メディア: DVD

大奥 スタンダード・エディション

大奥 スタンダード・エディション

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2007/06/08
  • メディア: DVD

◯8月発売
「それでもボクはやってない」(東宝)

それでもボクはやってない スタンダード・エディション

それでもボクはやってない スタンダード・エディション

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2007/08/10
  • メディア: DVD

それでもボクはやってない スペシャル・エディション(2枚組)

それでもボクはやってない スペシャル・エディション(2枚組)

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2007/08/10
  • メディア: DVD

「バブルへGO!〜タイムマシンはドラム式」(ポニーキャニオン)

バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 スタンダード・エディション

バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 スタンダード・エディション

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2007/08/17
  • メディア: DVD

バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 スペシャル・エディション

バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 スペシャル・エディション

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2007/08/17
  • メディア: DVD

◯9月発売
「アンフェア THE MOVIE」(ポニーキャニオン)

アンフェア the movie

アンフェア the movie

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2007/09/19
  • メディア: DVD

◯10月発売
「ゲゲゲの鬼太郎」(ポニーキャニオン)

ゲゲゲの鬼太郎 スタンダード・エディション

ゲゲゲの鬼太郎 スタンダード・エディション

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2007/10/26
  • メディア: DVD

ゲゲゲの鬼太郎 スペシャル・エディション

ゲゲゲの鬼太郎 スペシャル・エディション

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2007/10/26
  • メディア: DVD

ゲゲゲの鬼太郎 プレミアム・エディション (初回限定生産)

ゲゲゲの鬼太郎 プレミアム・エディション (初回限定生産)

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2007/10/26
  • メディア: DVD

◯2008年1月発売
「西遊記」(東宝)

西遊記 59,000枚限定版(2枚組)

西遊記 59,000枚限定版(2枚組)

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2008/01/01
  • メディア: DVD

西遊記 スタンダード・エディション

西遊記 スタンダード・エディション

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2008/01/01
  • メディア: DVD

映画「KIDS」撮影日記〜アサトの素顔〜

映画「KIDS」撮影日記~アサトの素顔~

映画「KIDS」撮影日記~アサトの素顔~

  • 出版社/メーカー: エイベックス・エンタテインメント
  • 発売日: 2008/01/16
  • メディア: DVD

来年もまた、より素敵なDVDをたくさん制作して行きたいと思います!

では皆さん、よいお年を!
来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


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時をかける少女〜ひと足お先に、タイムリープ。 [DVD]

時をかける少女 限定版

時をかける少女 限定版

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • 発売日: 2007/04/20
  • メディア: DVD


4月20日発売だから、もう間もなく店頭に並ぶことになる、
アニメーション映画「時をかける少女」のDVD。
その限定版のDVDを、ひと足お先に拝見する機会に恵まれたのでご報告。

とにかく好きなんですよ、この映画(笑
テアトル新宿×2、渋谷Q-AXシネマ(THX上映!)、ユナイテッドシネマ豊洲、
そしてヴァージンTOHOシネマズ六本木(ここもTHX!)と、
劇場にも5回ほど足を運んでしまったほどで・・・しかも毎回泣いてたし(苦笑

(もちろんDVDのお仕事にもぜひ参加させていただきたかったものの、
 残念ながらお手伝いすることはかなわず・・・)

ということで、作品について語り始めるとキリがないので
今回はざーっとDVDのインプレッションをまとめておきたい。

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DVDとHD DVD・BDの違いを、すごく簡単に説明してみる。 [DVD]

「ブレイブストーリー」を、DVDだけではなく、HD DVDとBlu-ray Disc(以下BD)で同時リリースしたことやPS3発売、年末の家電商戦が始まったこともあり、DVDとHD DVDやBlu-ray Disc(以下BD)がどう違うのか、その説明を求められる機会が増えて来たのだけど・・・

これが、案外、むずかしい。

ということで、どう説明すべきかを考えたあげく、ケータイのカメラ、という例をとってみるとわかりやすいかと思ってみた。

ちょっと前までは、ケータイのカメラは30万画素くらいが標準だった。
この画像が、1998年にエンパイアステートビルの展望台から、30万画素のカメラで撮ったNYの景色。

(余談だけど、9/11テロの前なのでワールドトレードセンターが見える!)

実はこれが、いまのDVDとイコールの画質だったりする。
DVD、そして今の地上波テレビ(アナログ放送と呼ばれる)の画像は、640×480の点(ピクセル)の集まりで作られているのだ。

でもいまは、ケータイでも200万や300万画素という、より大きくてきめ細かい画像が撮れるようになってきている。
この画像が、2004年に同じ場所から200万画素のカメラで撮ったもの。

そしてこれが、HD DVDやBDに収録された、ハイビジョン映像とイコールの画質になる。
HD DVDとBD、そして地上デジタル放送の画像は、1920*1080の点の集まりで作られている。前の画像と比較すると、とてもクリアで、きめ細かな画像になっていることがわかるはず。それもそのはず、いまのDVDやアナログ放送の実に6倍以上の情報量があるわけだ。

これだけの大きな情報量を録画するため、いまのDVDの数倍の大きさの容量を持つディスクが必要になってしまった。それが、HD DVDとBDという2つの次世代ディスクなのだ。

それにしても、なぜ2種類のハイビジョンディスクが存在しているのだろうか?それはまた、後日お話させていただこう。


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