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ロッキー・ザ・ファイナル [MOVIE]


輸入盤Blu-rayにて観賞。

1986年公開の「ロッキー4」の劇場プログラムを引っ張り出してみたら
ロッキー・バルボアというシリーズの主人公の知名度は
普通の映画のキャラクターのそれが30%前後なのに比して
なんと70%を超えるほどのアメリカの国民的キャラクターとあった。

邦題こそ「ロッキー・ザ・ファイナル」だけど
この映画の原題は、実は「Rocky Balboa」である。
ロッキー・バルボアという人物そのものを描く作品だと、
タイトルがすでに雄弁に語っているというわけだ。

シリーズはどんどん派手に、過剰になっていったように思えるし
それを批判する風潮もネット上では見受けられるけど
僕がリアルタイムで劇場で観賞したのはその「3」や「4」、
そしてスタローン自身が失敗作と語る「5」だったりする。
正直、どの作品も学生時代の僕からすれば楽しめる映画だった。

でも、この年齢になって観直してみると
エンタテインメントに徹したそれらの作品よりも
チャンスに恵まれずポルノ映画にさえ出演せざるを得なかった
スタローン自身がその崖っぷちの人生から這い上がるべく、
その想いを主人公に投影して全身全霊で書き上げたであろう、
第1作に思いっきりココロを揺さぶられてしまうのだ。

舞い込んで来たチャンスにすべてを懸け、
あまりにも強すぎるチャンピオン・アポロを相手にしつつ
周囲からどう思われるか、どう見えるかなんて関係なしに
とにかく最後まで戦い抜き、リングに立ち続けること。
アポロに勝つことが目的じゃない。
自分に勝つことが、ロッキーの目的だった。
その思いを誓った恋人・エイドリアンの名前を
試合を終えたリングの上でロッキーはただただ叫び続ける。

それがシリーズの原点である、「ロッキー」第1作だ。
そして今回の「ファイナル」は、ここへの原点回帰、
いや、そのままのリメイクだったと言ってもいい。

もちろん、30年という歳月が映画の中でも現実と等しく経過している。
それによる変化の最たるものが、最愛の妻・エイドリアンが亡くなっていること。
そして、父親が知られすぎているが故に、ロッキーから離れて暮らす息子の存在。

大きな喪失の中にいるロッキーが、
かつてのアポロとの対戦がそうだったように、
ふとしたことから現役チャンプと戦うことになる。

他の誰でもない、かつての自分を取り戻すべく、
60歳を超えたロッキーは、周囲の嘲笑などどこ吹く風で、
往年の日々と同じようにトレーニングを重ね、
そして堂々と、リングに立つのである。

映画を観ながら、恥ずかしいけど、
自分を振り返り、そして僕は最近の自分を恥じた。

「最近、いろんな意味で、挑んでないかも。」

映画を観終わって、思わず走り出したくなって、
まだ肌寒い4月の深夜の街に飛び出してしまった。

もちろんiPodで、「ロッキー」のサントラを聴きながら。

ロッキー DTSコレクターズBOX

ロッキー DTSコレクターズBOX

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2007/04/20
  • メディア: DVD


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Mune

jediokiさま

トラックバックありがとうございました!

我々やっぱりアナログですよねぇ(笑 

例によって1度見てから、何度も英語表現を覚えるために見返しているのですが、ほんと、いいですよ、ロッキー。リメイクって素晴らしい視点ですね!

僕もあのフィラデルフィアの階段を走ってみたいと密かに思ってます。

Mune
by Mune (2007-04-19 05:18) 

jedioki

いえいえ、勝手にトラバしてごめんなさい。

いいですね、フィラデルフィアの階段!
走りますか、一緒に!!

中年にさしかかった我々に勇気をくれる映画ですね、しかし(笑
by jedioki (2007-04-19 09:29) 

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