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DVD「ハッピーフライト」テイクオフ!〜スタンダードクラス・エディション [DVD]





皆さん、大変ごぶさたです&お待たせしました。
いよいよ本日、DVDとBlu-ray Discで「ハッピーフライト」が再びテイクオフ!します。
矢口史靖監督作品ということで、今回もお声をかけていただき、DVDとBlu-ray Discの制作ディレクターを担当させていただきました。

映画についてご存知ない方は、まずはこちらをご覧あれ!
「ハッピーフライト」公式サイト
http://www.happyflight.jp

昨年11月の劇場公開の前から企画作業をスタート。
DVD1枚組の「スタンダードクラス・エディション」、DVD2枚組の「ビジネスクラス・エディション」、Blu-ray Disc2枚組の「ファーストクラス・エディション」、レンタル専用DVD、さらに先着特典の「ハッピーDVD」と、5アイテムをこの3月一杯までかかって制作してきました。ようやく皆さんのお手元に、手塩にかけて育てた?ディスクたちをお届けできる日が来て、まずはホッとしています。

いよいよ発売を迎えたこともありますので、ここで各ディスクの特徴についてお話をしていきましょう。
まず今回はスタンダードクラス・エディションから。

DVD1枚組のこのアイテム、メインのコンテンツはもちろん映画本編。今回は特に高画質のBlu-ray Discも同時発売ということで、矢口史靖監督は映画製作段階からかなりクオリティにこだわってきました。そのため、フィルムからHDビデオのマスターテープを作成する際にも、邦画では珍しく、オリジナルのネガからテレシネを行っています。

CMや洋画などではよく使用されている方式ですが、これが邦画ではどうして珍しいかと言うと、ひとつにはオリジナル=この世に1本しかないネガフィルムを使用して作業するという意味での安全面の問題から、もうひとつはフィルムの継ぎ目の箇所がポジフィルムに比べて歪んだ映像になりやすいため、その修正作業にかなりの時間とコストがかかってしまうという問題から、です。

こんなエピソードがあります。ある日、メニューデザインのチェックに僕らのスタジオを訪れた矢口監督が、メニューに使用している動画を見て「あ、ポジテレシネの絵だ。これは古いマスターですね。」と指摘してくれたのです。実は上記のような作業を進めていた関係で、その時点ではまだDVD・BD用の最終マスターが完成しておらず、僕らの手元にあったのは劇場公開時に宣伝用に制作した、ポジフィルムから作成した本編マスターだったのです。でも監督はもちろんネガテレシネの映像をご覧になっていたので、その違いにすぐに気づいたわけです。「そんなに画質が違うのかなあ」と、僕やメニューディレクターの小林氏もその時は思ってしまいましたが、後日手元に届いた最終マスターを見てびっくり。コントラスト、S/N感、発色など、明らかに向上していたのです。旧マスターの映像は最終マスターに比べるとやや暗く、色の階調も潰れ気味で、例えば登場人物たちの髪や服の生地の部分がべたっと見えてしまっていました。

とはいえ、「そんなに違うもの?」と思われる方もいらっしゃることでしょう。実はこの両者の画質、見比べることができるんです。特典映像の中に収録された、テレビCM集をじっくりご覧下さい。ネガフィルムからテレシネされた映像で作られたものと、ポジフィルムからのもの、両方が収録されています。じっくり見ていただくと、きっと違いを分かっていただけるのではと思いますよ。

そして、音声については、オリジナルの劇場公開音声を5.1chドルビーデジタルサラウンドで収録したのはもちろんのこと、今回も矢口史靖監督による音声解説を収録しています。「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」の時にはキャストとわいわい語り合う雰囲気のものでしたが、今回は日本初の本格的飛行機映画ということもあり、シーン毎に細かくじっくりと語っていただくべく、フジテレビの笠井信輔アナウンサーに聞き手としてご参加いただき、徹底的に映画の舞台裏の話を監督から引き出していただきました。

実は笠井アナ、今回の収録に際して、どのシーンでどんな質問をしたいかという構成台本をご自身で作成して下さいました。映画やメイキング番組などを何度も見こんだのはもちろん、劇場プログラムやプレスシート、関連書籍の数々に至るまですべてに目を通し、30ページを超えるボリュームの台本を用意してくれたのです。そのため、完成したコメンタリーは、映画制作の舞台裏から航空業界の話に至るまで、矢口監督と笠井アナがほぼノンストップで103分しゃべり続ける大充実のものになっています。収録後はお二人ともふらふらになられていたほど・・・。

そして今回は字幕でも新しい試みをしています。それは“航空用語字幕”という、矢口監督からぜひやりたいとご提案いただいたものがそれ。この映画をご覧になられた方はご存知かと思いますが、劇中では様々な航空用語が飛び交います。言葉の意味がわからなくても映画の理解には問題はないんですが、そうは言ってもその意味がわかると、より登場人物たちをめぐる状況も理解でき、一緒にハラハラできるわけです。リピート観賞時にこの字幕を表示させてみると、また違った面白さを味わっていただけるはずです。もちろん、通常の日本語字幕も収録されていますので、スピーディーなセリフのやりとりをより深く理解したいなど、いろいろ活用していただけます。

この他にも特典として、劇場特報・予告編・テレビCM集、劇場マナーCMなどを収録しています。
矢口監督作品の常として、スタンダードクラス・エディションでも、結構おなか一杯になれるはず(笑)

ということで、今回はまずはセル版のスタンダードクラス・エディションの紹介でした。
次回はDVD2枚組のビジネスクラス・エディション、その特典ディスクをご紹介します。

PS

メインメニューをしばらく見続けてると、何かが・・・?














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圧巻、必見、ダークナイト! [MOVIE]

tdkp.jpg

冒頭からテンションがMAX状態のまま、
152分をあっという間に突っ走る、凄まじい映画。

それぞれのキャラクターが、
そしておそらく作り手たち自身が、
底知れぬ「葛藤」の末に見いだした「信念」と、
彼らがたどり着いた「決断」に、
ただただ圧倒されて言葉が出ない・・・

僕自身として、
現時点では間違いなく今年のベスト1。



映画としての出来は「ダークナイト」には負けるけど
まずは「バットマン ビギンズ」の復習をお忘れなく。

バットマン ビギンズ

バットマン ビギンズ (Blu-ray Disc)

若きバットマンをクワイ=ガン・ジンが鍛え上げ、
ケン・ワタナベの怪演が画面を引き締めるという、
いま考えたらとんでもない作品ではある。。。笑


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ありがとう、DISCAT。 [DVD]

※09/05/15 追記

下記のDISCATさんですが、ファンの皆さんからの声に応えて、 現在は店舗を移転して引き続き営業をされています。

新店舗の地図はこちらです↓
http://www.discat.co.jp/shopstatus.html
関係者の皆様、DISCATファンの皆様、お騒がせして申し訳ございませんでした。




DSCF6108.jpg

高田馬場の中古DVDショップ「DISCAT」の移転が決まり、
この店舗での営業が今日で終了となった。

僕は地元がこの店のほど近くだったため、
まだDISCATが新品・中古のレーザーディスクを扱っていた頃、
つまり僕が15歳くらいの頃からこの店に通い詰めていたことになる。
(うぉぉぉ、つまり四半世紀だよ、それって!)

いまはDVDの新品が3000円からで買えるけれども、
当時のLDは1枚7800円〜が相場の価格であり、
500円でも中古盤が安く買えるこのお店は、
財力に限りのある学生の身分にあっては、
とてもとてもありがたいお店だったのだ。

僕が大学を卒業してから、
パイオニアLDC(現・ジェネオンエンタテインメント)に就職し、
後にDVD制作事業を手がけるに至ったのは、
このお店で数々の名盤LD・洋盤DVDに触れることができたことが、
とてもとても大きな要因のひとつと言えよう。

とりわけ、僕がDVD制作を始めて以降は、
作り手の立場である僕の話を店長が興味深く聞いて下さったり、
逆に売り手の立場である店長の話に刺激を受けたりと、
ふらりとお店に遊びにいくたびに濃い話をさせていただりも。

お店自体は、メディアの趨勢と歩調を合わせるかのように
CD・LDの買取・新品・中古品販売からDVDのそれに取扱品をシフト。
そして諸般の事情で中古DVDの買取・販売に業態を絞り、
そのせいか日本盤はもちろん、米国盤、欧州盤、アジア盤と、
DVDリージョン完全制覇な勢いの品揃えを誇り、
いつもレアなアイテムをここで見つけては
ニヤニヤしながら数枚をピックアップし、
店長と雑談をして店を出る、というのが僕の定番コースだった。

近年はネットを通じての買取や販売が大きな規模になり、
これを機に通販メインに切り替えようとずーっと考えていたが、
それがようやく実現できることになった、ということらしい。

ただ、路面店がなくなるのはあまりにさびしいと、
僕らのようなディープなDVDマニアが閉店間際に殺到(笑
「じゃあ、新店舗では合い言葉を言うと入れるようにします」
なんて、嘘とも誠ともつかないような話を飄々とする店長はしてくれた。
今日も、店の常連客達が引越しの手伝いをしているとのこと(笑

ああ、長年に渡って、愛され続けたお店なんだなあと、
その話を聞いてあらためてこのお店の業界内での、
特異で、それでいて大きな位置づけを再確認した次第。

店長、本当にお世話になりました。
この店がなければ、今の僕にはなれませんでしたよ・・・!

いまの店舗での最終日ということで、
照れる店長に無理矢理お願いをして記念写真をぱちり。

DSCF6109_2.jpg

さて、そのDISCATさんですが、
今後のお店の情報はサイトで随時アップデートしますとのこと。
ということで、最後にお店のURLを告知しておきます。
皆さん、何かの機会には、ぜひのぞいてみて下さい!

DISCAT http://www.discat.co.jp/
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BD「スウィングガールズ」 は50GBディスクです!【8/1 一部補足を追加】 [Blu-ray]

前回の記事には、本当にたくさんの方々にアクセスいただきました。
公開から4年、DVD発売からも3年が経過しているにもかかわらず、こんなに皆さんに注目していただける「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」は、本当に幸せな作品たちだなあと、あらためて我々もうれしく思った次第です。

矢口監督や、関口氏をはじめとするプロデューサー陣や、BD制作現場スタッフと、今作るべき「ウォーターボーイズ(以下、WB)」「スウィングガールズ(以下、SG)」のBlu-ray Disc(以下、BD)とはどうあるべきかを、徹底的に議論を重ねた結果、以下のような結論を我々は出すことになりました。

●ディスク容量について

結論から書きましょう。
「WB」は片面一層の25GBディスク、そして「SG」は片面二層の50GBディスクを採用いたします。

前回の記事を書いた時点では、BDのスペックについて、様々にテストを重ねていた段階でした。それぞれのタイトルの仕様を、それぞれのディスク容量の中で、果たして実現できるのか?エンコード担当スタッフたちが、25GBディスクの場合と、50GBディスクの場合で、画質・音質の転送レートをどのように設定すると、どのようなクオリティになるのかを検討してもらいました。

以下、その結果のレポートの抜粋です。
数字の羅列となりますので、ご興味ない方は読み飛ばして下さいね(笑

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【BD版「SG」のスペック】
本編収録時間:105分 特典収録時間:約4分
音声1:リニアPCM 5.1ch 音声2:ドルビーTrueHD 5.1ch
この数値をふまえて、まずは音声の転送レートについてお話ししましょう。

これらの音声の転送レートを概算で出すと・・・
◯リニアPCM 5.1ch=4.6Mbps(固定レート)
◯ドルビーTrueHD 5.1ch=8Mbps(可変、最大レート)
=2.5Mbps(可変の平均レートの概算数)

上記を計算しますと・・・
◯音声の最大転送レート 4.6+8=12.6Mbps。
◯平均転送レート 4.6+2.5=7.1Mbpsを使用することとなります。
(実作業ではもちろん誤差が発生するため、上記はあくまで概算です)

次に、映像についてです。
動きの多い少ないにかかわらず、映像転送レートが一定で送出されている、固定転送レートのBSデジタル放送や地上デジタル放送と違い、BDは可変転送レート方式を採用しています。

つまり、動きの多い画面(「WB」のシンクロで、画面一杯に水しぶきが広がるシーンや、「SG」の雪の中で電車が止まるシーンなど)にはデータ量を多めに割り当て、動きが少ない画面ではデータ量を少なく割り当てています。機械でももちろんですが、最終的には人の眼で見て判断することで、デジタル放送の映像よりも高画質な映像を実現させるわけです。

さて、映像と音声を含めたBDの最大転送レートは、38.5Mbpsという数値です。
この数値の中で、映像と音声の転送レートのデータ量のバランスを検討していくことになります。
そしてこの38.5Mbpsでエンコードできるのは、86分までとなります。

今回の「SG」をこれに当てはめますと、以下のようになります。
◯一層=21Mbps
◯二層=30Mbps

いずれも映像転送レートの平均の数値です。
10Mbpsの差が発生しますので、この差は比べるとはっきりと出ると考えられます。

ちなみにWBの場合、リニアPCM音声が2.0chという事もあり、映像転送レートが29Mbpsを出せるため、片面一層ディスクで問題ありません。

【8/1 上記についての補足です】
通りがかりさんを含め、何人かの方から、BDのビットレートの数値についてのご質問をいただきました。
ここで、ビットレートの件について、少々補足をさせていただきますね。

38.5Mbpsという数字は「SG」のスペックから換算した、映像・音声の平均値を書かせていただいております。
今回の場合、BDの最大転送レートである48Mbps(映像+音声の合計)から、音の最大転送レートである12.6Mbps(リニアPCM 5.1ch=4.6M/ドルビーTrueHD 5.1ch=8M)を引きますと、映像の最大転送レートは35Mとなります。
つまり、BDの最大転送レート48Mbpsを、今回はフルに活用している事になります。

転送レートの平均値のみで考えますと、
リニアPCM 5.1ch=4.6M/ドルビーTrueHD 5.1ch=2.5〜2.9M(予想値)となりますので、合計7.1M〜7.5M。
映像の平均転送レートは30Mとなりますので、映像+音声の転送レートは、だいたい38Mとなります。
この38Mのアベレージだと、1層に最大86分まで入れる事ができます、という意味合いでした。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

上記をまとめますと、WBは片面一層で十分にハイクオリティが実現できるわけですが、SGは片面一層と二層とでは、やはり少なくない画質差が出てしまうため、二層を採用することはできないだろうか?と、我々ディスク制作の現場サイドから、実際に制作・製造費を出す製作サイドに提案を行い、検討に入ったのが、7月16日(水)。つまり、発売情報の告知解禁日の、2日前のことでした。

では、なぜ「片面一層」と発表させていただいたのか?
実はBD版の発売告知を出した時点では、まだ「SG」にどちらのディスクを採用するか、確定していませんでした。そのため、まずは一層として告知させていただき、片面二層ディスクの採用が可能であれば、告知内容を一層から二層へと変更しようと考えていたのです。

そして、「SG」に片面二層50GBを採用すると最終的に確定したのが、昨晩7月22日(月)のこと。ということで、大急ぎでこの記事を書いているという次第です。

ただ、「仕様等は変更になる場合があります」という、まだ仕様は確定していないというアナウンスを、僕が前回の記事で書き忘れてしまい、皆さんをお騒がせしてしまったのは事実です。結果的に、「WB・SGともに一層で確定」ととれる記事を書いてしまいましたことを、心よりお詫び申し上げます。

●特典映像について

確かに両作品とも、DVD版は特典を満載して発売させていただきました。しかしながら、いずれの特典映像もHDではなく、すべてSD映像であることから、今回のBD版に必要なものなのだろうかという議論も、ディスク仕様問題と同様に重ねてきました。

前回の記事にも書きましたが、まだまだDVDとBDの制作・製造コストを比較すると大きな差があるのが現状です。そう考えると、本編ディスクにプラスしてSD映像を収録した特典ディスクを追加することで、追加ディスクの制作・製造費、パッケージの製造費がさらに上乗せになり、商品の価格が上がってしまうことになります。

中・高生から年配の方々にいたる幅広い年代層のファンの方々が、この商品に限らず、BDという新しいメディアの敷居を高く感じてしまう事態は避けたい、という結論に至りました。BDという最高の器が、パッケージソフトの売り上げを縮小させてしまうようなことは、パッケージソフト文化を牽引してきた我々としては、あってはならないと考えているのです。

●最後に

制作/製作サイドの意見を代表してあらためて書かせていただきますが、我々はDVDを制作/製作した時と同様に、最高のスペックのBDバージョンで、最高の「WB」「SG」体験をお届けしたいと考えています。そのため、「WB」では片面一層25GB、「SG」では片面二層50GBの、ディスクが持てる容量をいっぱいに生かし、何よりも重要なコンテンツである映画本編をハイクオリティなものとして収録することを、最優先事項とさせていただきました。

また、洋画タイトルに追従するような青いプラスティックケースではなく、BDのために新たに形状からデザインを行った、オール紙製のエコパッケージを今回は採用しています。ファンの皆さんの手元に届いた時に、パッケージの手触りやデザインでも、映画への、BDへの期待感を高めていただけるような、他に例を見ないものが仕上がりつつありますので、こちらにもぜひご注目いただければと思っています。

結果的には、今回もまた、合い言葉のように【採算度外視】になりつつありますが・・・まだまだ手探りなBDの制作環境の中、よりよい画質・音質を目指して、日々テストにテストを重ねている今日この頃、です。「WB」のDVDから一貫して矢口作品に関わり続けている我々BDスタッフ一同、夏バテという言葉すら忘れて?頑張っています。

最後になりますが、10月24日のBlu-ray Disc版「WB」「SG」のリリースを、皆さんどうぞご期待下さい!

長文になりましたが、最後までお読み下さり、本当にありがとうございました。

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WATER BOYS & SWING GIRLS、Blu-rayで「ただいま!」 [Blu-ray]

さーて、やっと情報解禁日!を迎えたので
皆さんにもビッグニュースをお伝えできますね。

お待たせしました!
あの「ウォーターボーイズ」と「スウィングガールズ」が、
ついにブルーレイディスクになって、10/24に帰って来ます!
ここしばらく、この仕事に専念しておりましたー!

BD_water.jpg

まずは「ウォーターボーイズ」からご紹介。

●フィルムの粒状感(グレイン)を1フレームずつ調整し、
 よりシャープで美しい映像を実現した、デジタルリマスター作業を敢行。
 これを、MPEG4 AVC(H.264)方式で丁寧にエンコードをかけています。

●劇場公開オリジナルの2.0chドルビーサラウンド音声を、
 非圧縮のリニアPCM音声で収録。
 さらに、リミックスした5.1chサラウンド音声を、
 BDならではのドルビーTrueHD音声で収録!

 ちなみに、ドルビーTrueHD音声は、
 一度圧縮(=エンコード)してディスクに収録した音声を、
 オリジナルと同じクオリティに展開(=デコード)して
 再生させるというフォーマット。
 音声データを小さくできる分、映像にデータを割り当てられるので、
 より高品質なディスクにすることができるわけです。

 今回のBDでは、オリジナルに敬意を表して、
 劇場オリジナルのドルビーSR音声を非圧縮リニアPCMにて収録、
 リミックス音声をドルビーTrueHD音声で収録、としています。

●本編再生中でもメニュー操作が可能な、
 BDならではのポップアップメニューを採用。
 音声・字幕やチャプターなどを操作することが可能です。

●特典は特報・予告・テレビCMに加え、
 矢口監督の新作「ハッピーフライト」の特報映像を収録。

●パッケージも凝ってしまいました!
 ブルーレイでよくある青いプラスティックケースではなく、
 このディスクのために企画考案された、外箱つきの特製紙パッケージでの登場です。
 (この特製パッケージは初回生産分限定につき、お求めはお早めに!)
 しかも、オールカラーのブックレットも付属しています!

ということで、より美麗でダイナミックな映像と音響で、
「ウォーターボーイズ」が生まれ変わります!

BD_swing.jpg

そして「スウィングガールズ」はさらに大変なことに!

●何と!矢口監督、ブルーレイ版のために、
 新たにテレシネをやり直してしまいました!!
 映像のダイナミックレンジが拡大!暗部のディテールがはっきりし、
 さらには発色もよりクリアになったニューマスターでの登場です!
 こちらもMPEG4 AVC(H.264)方式でじっくりエンコード中です。

●劇場公開オリジナルの5.1chドルビーサラウンド音声を、
 非圧縮のリニアPCM音声と、さらにドルビーTrueHD音声でも収録!
 さてさて、ブラスの音色がDVD以上にきらびやかなリニアPCM音声と、
 その忠実な音の再現性を誇るTrueHD音声を、
 対応アンプをお持ちの方、ぜひ聞き比べてみて下さいね。

●本編再生中でもメニュー操作が可能な、
 BDならではのポップアップメニューを採用。
 音声・字幕やチャプターなどを操作することが可能です。

●特典は特報・予告・テレビCMに加え、
 矢口監督の新作「ハッピーフライト」の特報映像を収録。

●パッケージも「ウォーターボーイズ」同様に、
 外箱つきの特製紙パッケージを採用しました。
 こちらもオールカラーのブックレットが付属しています。

ということで、こちらもニューマスター映像と、
DVDのdts音声を凌ぐ迫力の演奏でガールズたちが帰って来ます!

さてさて、ブルーレイディスク版と聞いて、
気になるのは価格、かと思いますが・・・
両作品とも、¥4935(税込)でのリリースです!

実は、上記のようなシンプルな内容であっても、
ブルーレイディスクの制作・製造コストは、
まだまだ高くついてしまう現状があります。

いちど、それぞれのDVDスタンダードエディションを、
そっくりそのままブルーレイで作り直すとしたら、
いったいいくらかかるのかという見積りをとってみましたが
・・・あまりの数字のケタの多さに、気を失いかけました(汗

しかし、今回はブルーレイ版ということで、
リマスターや新規テレシネを行ったり、
特製紙パッケージ仕様と採用するなどしつつも、
ワールドワイドで収支がとれる洋画と同じ価格で、
あえてリリースをさせていただくことになりました。

これらの作品を機に、
HD映像に、そしてリニアPCMなどのHDオーディオに、
ブルーレイが本気で取り組むとどんなクオリティになってしまうのか、
地デジやBSデジタルよりも美しい映像や音声ってどんなものなのかなど、
ブルーレイの実力を皆さんに知ってもらいたいと思うのです。

ということで、まずは速報ベースでのご紹介でした。
こうご期待!です。





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ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌 [MOVIE]

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「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」
公式サイト http://www.gegege.jp/

前作のDVD制作を担当させていただいたこともあり、
新作の試写をいち早く観ることができた。

結論。
驚いたことに、大人が十分に堪能できる仕上がりだった!

ファミリー向けを意識しすぎた感がある前作は、
鬼太郎ファミリーのコミカルな活躍ぶりと
次々に登場する妖怪たちのにぎやかさが観客を楽しませたものの、
その実、映画としていちばん大切なもの・・・
すなわち、「物語」が破綻していたと言わざるを得ない。

伏線かと思われたプロットがそのまま放置され続け、
しまいには映画冒頭で悪事を働いた天罰で死んだ人間が、
どうにも納得いかない理由で蘇るハッピーエンドを迎える始末。

これ見よがしに多用される妖怪たちのVFXも、
完成度が高いかと聞かれたら返答に窮する感じで、
うーん、こんなものなのかなあと、
いろんな意味で中途半端なのが残念な前作だった。

ただ、観客である僕らが感じるそんなあたりについては、
鬼太郎スタッフたち自身が誰よりも強く感じたことなのだろう。

どうしてそう感じたかと言えば、
DVD制作時に、本作を担当した若手プロデューサーのU氏から、
どこをどうすればもっと鬼太郎らしくなるのか、
そしてもっといい映画になるのだろうかと、
事あるごとに僕らDVDスタッフが質問攻めにあったからだ。

もちろん、U氏の真剣な問いかけに応えるべく、
僕たちも失礼ながら、上記のようなことを
本当に言いたい放題言わせていただいたりしたのだが・・・
おそらく、こうやって、様々な鬼太郎世代の人々の話や
水木しげる氏による膨大な原作を再検討していく中で、
U氏は徹底的に「鬼太郎映画のあるべき姿」を模索されたのだろう。

その氏の、そして制作陣の、さらにはキャストの努力が、
「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」に見事に結実したと僕は思う。

江戸時代にさかのぼる怨念話が今回の物語の中核となり、
鬼太郎ファミリーや、北乃きいの好演が光るヒロイン・楓、
さらには、濡れ女役の寺島しのぶら、敵方の妖怪までも、
キャラクターたちの心理描写を丁寧に描きつつ、
「それでも、人間は守るべき存在なのか?」というテーマを、
子供たちに、そして世俗に染まった大人たちに突きつけてくるのだ。
前作では出過ぎの感もあった脇役妖怪たちの出番はぐっと絞られ、
VFXも前作に比べると驚くほど自然で迫力ある演出がなされている。

監督は前作と同じく本木克英氏だが、
脚本は「妖怪大戦争」を手がけた沢村光彦が担当。
怖くて、巧妙な伏線に感心し、大泉洋の怪演に笑い
ウエンツ鬼太郎とソ・ジンブ演じる夜叉のバトルのキレに驚き、
さらには切ないクライマックスに思わずホロリとさせられる、
よく練られたストーリーラインには本当に感心させられた次第。

また、特筆しておきたいのは中村 中のエンディングテーマ。
作品を表すキーワードが随所にちりばめられたバラードで、
映画の余韻をひときわ切ないものにしてくれるので、
最後まで席を立たずにじっくり曲を味わって欲しい。
そうすると、その後にも実は・・・?

ということで、前作を楽しんだ人はもちろん、
そうでない人には、だからこそお薦めしたい作品です。
特にクライマックスの一大スペクタクルの迫力は、
劇場のスクリーンとサラウンド音響でこそ!なので、
どうぞ皆さん、お見逃しなく!













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トニー賞授賞式に「レント」が! [MUSIC]



NHK BS2で今年のトニー賞授賞式を観ていたら
思いがけず「レント」のトリビュートがあってびっくり。

あわててYouTubeで探したら、結構な数があがっていたので、
レント好きな皆さんとこの思いを共有したくなり、ここでご紹介。

後半、作品の成功を観ることなくこの世を去った、
この作品のクリエイターであるジョナサン・ラーソンや
レントという作品の思い出を
このために集まった初演メンバーが語るあたり、涙ものですよ・・・。


レントという作品が生まれるまでのドキュメンタリーをまとめた書籍。 すべての歌詞も掲載され、レントのすべてがここにあります。
Rent

Rent

  • 作者: Jonathan Larson
  • 出版社/メーカー: William Morrow & Co
  • 発売日: 1997/06
  • メディア: ハードカバー


ジョナサンの生涯とレントの誕生を追った 2時間の特典ドキュメンタリーが素晴らしい、DVDとブルーレイ。

レント デラックス・コレクターズ・エディション

レント デラックス・コレクターズ・エディション

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: DVD



レント (Blu-ray Disc)

レント (Blu-ray Disc)

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: Blu-ray


この映像を見たらどうしても「シーズンズ・オブ・ラブ」が歌いたくなる(笑) ということで、映画版のサントラCD。

オリジナル・サウンドトラック レント

オリジナル・サウンドトラック レント

  • アーティスト: サントラ
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2006/04/12
  • メディア: CD



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「インディ・ジョーンズ」を新宿プラザ劇場で。 [MOVIE]

むかし「スター・ウォーズ エピソード3」の時に、
こんなブログを書いたことがある。

「環は完成した」 http://plaza.rakuten.co.jp/medicinema/diary/200507040000/

新宿歌舞伎町の映画街において、
東急系列の新宿ミラノ1と肩を並べる、1000を超える座席数を誇る、
東宝洋画系の堂々たるメインのロードショー館が新宿プラザ劇場

「スター・ウォーズ」シリーズ全作はもちろんのこと、
「インディ・ジョーンズ」も「魔宮の伝説」と「最後の聖戦」は、
ここに何度も何度も何度も何度も通って観たものだ。

残念ながら、「レイダース」だけはここではなく、
飯田橋佳作座で「スター・ウォーズ」日本語吹き替え版と2本立てで、
つまりはロードショーが終了してからの観賞になったのだけど
「スター〜」を目当てに行ったら、「レイダース」のあまりの面白さにKOされ、
ああ、新宿プラザで観たかったと、当時中学1年生の僕は猛反省したのでした。

さて、この劇場に思い入れたっぷりだった僕は、
ちょっと前に映画業界を駆け抜けたこの話題に、心から凹まされた。

「コマ劇ショック余波!?新宿プラザも年内閉館」 http://www.varietyjapan.com/news/business/2k1u7d0000024f8t.html

ぐはー、なるほど、そうなのか。。。
確かに僕も、最近は新宿で映画を観るとなると、バルト9を使っていたし、
そうでなくとも六本木やとしまえん、豊洲のシネコンにばかり通っていた。
10年前ということは・・・「タイタニック」や「インデペンデンス・デイ」、
そして「エピソード1」や「アルマゲドン」の頃と比べ、入場客数が1/3になった、と。
確かに、シネコン乱造の前夜の頃だし、これらの映画はすべてプラザで観たよ、僕。

こうなると、調子のいいもので、せめて閉館前にイベントムービーというか、
超大作シリーズの新作をこの劇場で観ておきたくなってしまい・・・
「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」の先行上映を、
まさに昨日、ドンピシャのタイミングで新宿プラザで観賞してきた。

20080615150237.jpg

すでにバルト9に客足を奪われてしまったのか、
2/3ほどのお客さんの入りでも、この劇場だとまばらに見えるのが寂しい。

1989年の冬は、まずミラノで「バットマン」を初日に観てから、
そのままロータリーを挟んで目の前のプラザで行列して、
「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」の先行オールナイトで、
立ち見客が入るスペースもないくらいのギューづめで大盛り上がりしたなあとか、
ホント、感傷的な気分になってしまったのですよ。。。

新宿エリアでは屈指のスクリーンサイズを誇る大劇場だけど、
そのスクリーンの大きさと客席数を収容する「建築物」として考えると、
これは音響的には決して良い状況ではなく、音がとにかく響く響く(笑
最近の音響工学的にシャープな音像を聴かせるシネコンとはえらい違い。
でも、僕が好きだった「映画館の音」って、こういうものだったのかも。

そんな感傷的な気分の中で「クリスタル・スカル」本編が始まったものだから、
2回目の観賞という余裕もあってか、劇中で過去のシリーズの影がちらつくたび、
とても楽しく、そして懐かしく、さらには寂しい気持ちに襲われてしまった。
ファンとしてどうにも納得できない部分も数カ所あるけれど(笑
視界いっぱいの迫力の大画面と怒濤の音響効果で、今回も122分があっという間。
しっかり「インディ」していた、20年目の続編に拍手を送って劇場ロビーへ。
「新宿プラザ劇場」という刻印の入った劇場プログラムがどうしても欲しかったのです。

そうしたら、はい、ありました、ありましたよ!
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このプログラム、実に素晴らしい内容で感激!
今回の映画のストーリーやプロダクションノートはもちろんだけど・・・
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過去の3作も、それぞれを見開き2ページを使って解説してあり・・・
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さらには、日本では一部がビデオ&LD化されたのみで、
現在ではほとんど観る機会がないと言ってもいい、
「YOUNG INDIANA JONES CRONICLE/インディ・ジョーンズ 若き日の大冒険」を、
日本未放映分も合わせて全エピソードを解説していたことにびっくり!
「クリスタル・スカル」も含め、すべてのインディの冒険を、
年表形式で見せてくれるという、非常に心憎い構成をやってくれてしまった!
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そして「スター・ウォーズ」以降、
大作シリーズ映画ではよく見られるようになった、
過去の作品のプログラムをメモリアルボックスにしたものも。
プログラム以外に、前3作のA2サイズのピンナップをつける太っ腹ぶり!
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そして今回の僕のお気に入りは、このメモ帳。
4面に展開して開くこのメモ帳、シリーズ4作の秘宝があしらわれているもの。
残念ながらポストイットのようには使えないものの、その遊び心はなかなか!
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さて、そんなこんなで劇場を後にしたのだけれど、
今回の「あの」エンディングからすると、シリーズが続くなんてことも・・・
なんて思って、もうその頃にはこの劇場はないんだ、と気づかされて、
またも切ない気分に陥ってしまったりも。

ともあれ、年内いっぱいの閉館までに、意識してこの劇場に足を運ぼうと思う。
そして記憶の中に、しっかりと新宿プラザという劇場を刻み込んでおこうと思うのだ。


名画座時代―消えた映画館を探して

名画座時代―消えた映画館を探して

  • 作者: 阿奈井 文彦
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2006/03
  • メディア: 単行本




東京名画座グラフィティ (平凡社新書)

東京名画座グラフィティ (平凡社新書)

  • 作者: 田沢 竜次
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2006/09/12
  • メディア: 新書



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インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国 [MOVIE]

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さあて、ジャパンプレミアで観てきましたよ、最新作!
公開前につき、もちろんネタバレは自粛なのでご安心を。

まず最初に言っておくと、
僕は大いに楽しんで観られたクチです。
2時間2分があっという間に過ぎさる、
相変わらずのジェットコースター感覚は健在!
ハリソン・フォード65歳も
アクションアクションまたアクション!!
はー、もー、おなかいっぱいですよ・・・と、
観終わった後は心地よくぐったりすること請け合い(笑

とはいえ・・・
端的にコメントを述べるのならば、

「とんでもない」映画であり、
「トンデモ」な映画でもある、という感じ。

ちょっと古い例えをするなら
「007/私を愛したスパイ」はありだけど
「007/ムーンレイカー」は、ちょっと行き過ぎ、
というような感覚に近いかなあ。

また、日本人にとってはトラウマになってしまっている、
ある「兵器」が登場するシークエンスがあるのだけれど
これもまあ、いかにもアメリカンな描き方で
日本人としては、それで何とかなるんかい!と
突っ込みを盛大に入れたくなったりも・・・。

とはいえ、キャスト・スタッフが19年ぶりに再結集した、
これはもう実に見事な「インディ・ジョーンズ映画」。
14日の先行上映、21日の初日と、
きっと何度も僕は足を運ぶことになるでしょう(笑

さてさて、今回はファンの皆さんの反応が楽しみ。
最低限「レイダース/失われたアーク」と、
「若き日の大冒険」の第1〜2話の復習をお忘れなく。

くわしい話は、公開後にあらためて!


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「ラッキー」村上かつら [COMIC]


ラッキー―Are you LUCKY? (ビッグコミックス)

ラッキー―Are you LUCKY? (ビッグコミックス)

  • 作者: 村上 かつら
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2008/05/30
  • メディア: コミック


今日は映画ではなく、コミックのお話。

ビッグコミックオリジナル増刊号という、
隔月の雑誌に2年に渡って連載されていた、
村上かつらの新作「ラッキー」が、
とうとう、単行本として発売になった。

幼くして母を亡くした少年と、
母の想い出がいっぱいに詰まったロボット犬・ラッキー。
これは彼らをめぐる、暖かくて、おかしくて、そして切ない物語。

このラッキーというロボット犬は旧式モデルのため、
音声によるコミュニケーションができないかわりに、
顔に5文字まで表示できるディスプレイがついていて
ここに言葉を表示して飼い主とコミュニケーションをするわけです。

おめでとう
だいじょぶ
あそぼ?
ただいま
ありがとう
たのしい
ともだち
うれしい
なかないで・・・

たった5文字だけだけど、
ラッキーは少年ときっちりコミュニケートできる。
言葉って、気持ちが伴っていれば、
シンプルでもずっしり伝わるものなんだなあと、
ネットやケータイで軽い言葉が氾濫する昨今を鑑みつつ
あらためて言葉というものの意味を感じさせられたりも。

少年とロボット犬の偶然の出会い、
そこで巻き起こる様々なできごと、
それを通して成長して行く少年、
そしてひっそり忍び寄る別れの時。

これまでの村上かつらという作家は、
短編や中編の伝説とも言える見事な作品群の評価に対し、
長編になるとやや失速気味になってしまう感があったものの
久々の単行本となる今回は、感情の動きと物語の展開のバランスが
見事にとれた傑作なんじゃないだろうか、と
この寡作な作家の長年のファンとしては強く感銘を受けた次第。

バッテリーがあがってしまって
もう使えなくなった携帯電話を
いつまでも捨てられすに手元に残しているような、
僕と同類の?方々は、ぜひご一読を!

<これまでの村上かつらのコミックス>


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